ピンクサファイア

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これは面白いわ。 たわしみたいな、めっちゃ迫力のつけまつげ。 トウモロコシのヒゲかと思うような金髪。 だけど、どう見ても40オーバー。 イイ歳してナニ考えてんだか。昭和のヤンキー引きずった哀れな女だね。 「じゃああ、うちのアイリとはあ、ツイッターで知り合った、ってことでえ、合ってますぅ?」 歌うような口調が憎々しくて、ぶん殴ってやりたくなる。 トウモロコシのくせに。 トウモロコシ女の横には、これまた救いようのないタイプの人種が約一匹。短髪を金色に染めたオヤジ。地肌か毛髪か判別不能なのが笑える。ナニ考えてんだか紺の背広なんて着込んで。 いやーお気の毒。パツキンど底辺コンビに対峙するのは、いかにも気の弱そうなガリガリに痩せ男。30歳くらいか。 飲食が彼らの目的じゃないのは、誰の目から見ても明らか。 「はい…ツイッターです…」 消え入りそうな声で、やっとガリガリが答える。 すると女が、獲物を見つけた鬼婆みたいに目をカッ!と見開いた。 「はああ、あんたいい歳した社会人だろ?呆れた!おっさんがツイッターとか。そんで女子高生と仲良くなって浮かれるとか、馬鹿だろおお??」 甲高い頓狂な声がフロアに響き、無関係の他人の視線を集める。 こえー!嫌がらせかよ? ああ、ヤダヤダ。
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