ピンチ。③

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ピンチ。③

「…痛ッ……」 「わ、悪いっ、蒼井、大丈夫か?」 スマホを奪い取ろうとバランスを崩して。 蒼井に覆い被さるように倒れ込んだ俺は慌てて蒼井から離れるため、身体を起こそうと手に力を込めた。 が。 力が入った手のひらに何か違和感を感じて。 ゆっくり手のひらへ視線を移していく。 !? んんっ……?! 俺の手が…。 蒼井の股間を触れている…って言うか…。 握ってるし!! 何やってんだよ、俺!! これじゃあ…まるで俺、本物の変態じゃんかっ!!(泣) 真っ赤になって固まる俺に蒼井は意地悪な笑みを浮かべ話しかけてくる。 「……アンタって…けっこー大胆なんだね…。こんな所でオレを押し倒してさ。しかも手、オレの大事なトコ、握ってるし…(笑)」 「あっ、ち、違っ……これは…!!」 「……ま、いいけど。九条センパイ、変態だもんな(笑)オレの大事なトコ触ったんだからさ、オレもお返し(、、、)センパイの気持ちイイとこ(、、、、、、、、、、、、)、触ってあげる」 「えっ、あ……ひゃうッ!?」 そう言った蒼井は起きあがって、俺にのしかかってくるとズボン越しに手を伸ばしてスリスリと上下に手を動かし始めた。 「やっ、ち、ちょっと何す……ひゃあんッ!?」 「…センパイのココ、すっごい気持ち良さそう。ほら、すっごいビクビクしてるよ…」 「ば、ばか野郎っ!!あっ……!……触んなっ!!」 「…ホントは気持ちいいクセに…(笑)九条センパイ。ココ…触ったことないの?」 「さ…触ったことくらい、あるわッ!!」 「ん~。その割に余裕なくない…?もしかして…人に触られるの、初めて……?」 そう言うと。 蒼井の指が。 今度は俺の耳を(いじ)り出した。 「あっ…やぁ…っ///」 急に耳を触れられて。 誰にも触れられた事がない俺の身体は蒼井の指に素直に反応して。 ビクビクッと身体が波打つように跳ね上がる。 オイオイ………嘘、だろ…。 この声…は…俺の声…? それに身体が…。 身体が熱くて……おかしい…。 「センパイ…気持ちイイの…?顔も声もエロいんだけど…(笑)」 じっと見下ろして俺の様子を見ていた蒼井の顔がいつの間にか目の前まで近付いていて。 蒼井の声が。 吐息が。 耳元にかかる。 身体がゾクゾクして、思わず声が上擦った。 「エ、エロいっ、て、言う…な…ああ…んっ///」 「センパイ、今、すっごい気持ちイイって顔してるよ…?…もっともっと気持ちイイ事したらさ…九条センパイ、どうなっちゃうんだろ?試してみよっか…センパイ?」 蒼井の楽しそうな声色に恐怖を感じた俺は抵抗するため、目の前の蒼井のシャツを力なく握り締める。 「ひっ、やあ、ダメ…ッ、こ、これ以上…は…」 「…じゃあ【オレのオモチャ】になる?九条センパイ?(笑)」 「やっ、やあっ…!耳元は…ダメ……」 「さっきから【ダメ】しか言ってないんだけど…。じゃあさ、ココにも聞いてみる?センパイのココ、素直みたいだし、さ?」 そう言った蒼井の手が…今度は制服のズボンのベルトに手をかけ始めた。 ヤバイ。 今、触られたら。 俺……完全にイッてしまう…(泣) やだやだっ。 モモ以外で、しかも同じ男で年下にイカされるなんて…。 そんなの、絶対にイヤだ!!(泣) 「わかった、わかったから…!!…お前のオモチャになる…!!だから…蒼井…手を離せ…よ…!!」 このまま蒼井のペースに巻き込まれたら、きっと…。 俺は確実に。 大事な何かを失う気がする…。 だから今、ムカつくけど。 この変な空気を変えないと……!! そう思った俺は仕方なく、蒼井が出した条件を慌てて飲むことにした。 すると、蒼井の唇が俺の首元に触れる。 「あ~ぁ、残念。もうちょい、だったのになぁ…。センパイの恥ずかしい姿、見れなくて残念……。でも今日からアンタ、オレのだから。覚悟しなよ?九条セ・ン・パ・イ♪」 ニコニコと女の子ならドキドキするような笑顔で微笑んで。 チュッと蒼井の唇が俺の耳に触れた。
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