第2章 ラブホテルにて

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 簡易枷と鎖はとりあえずそのままにして、別のところにある鎖を引っ張ってくる。  天井からぶら下がっている鎖は10本ほどあるので、適当に選べばよい。鎖がかなり自由に動くようにレールが配置されている。親切設計だ。  ガンラゴロゴロガンラゴロ。メインテナンスも行き届いているのだろう。滑車の動きも軽快だ。  エアバッグ付きの手枷というものがある。長さが20cmほどで、ちょうど肘から手首付近までをまるっとくるむことができる逸品だ。7,800円がふたつで涙が出そうな出費だったが、これはとても役に立つ。  ブレザーとブラウスの手首のボタンを外してまくり上げ、その長い枷で杏奈の華奢な腕(肘から手首まで)をまるっとくるむ。ファスナーを閉めたら、付属のポンプを装着してエアーを送り込む。  シュポシュポシュポポ、と関西芸人風に空気を送ると、エアーバッグが膨らみ腕を圧迫するように締め付ける。  もうちょっとかな。シュポシュポポ。このぐらいでどうかな。もうちょっといこか。シュポポポ。  こんなもんだろ。杏奈の腕にぴったりと貼り付いたエアーバッグ枷はもう引き抜くことはかなわない。こうなってしまうとたとえアジャコングでも外せまい。鎖のほうがもたないか。     
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