君は鳥籠の中

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 ◇    女は苛立っていた。  誰もが羨む容姿を持つ彼女も、自分に見合う男を探し求め続けて気付けば三十路目前。  これは流石にマズい……そう思い始めた。  合コンにも積極的に参加して来たし、自分に言い寄る男も数知れず。  けれども、誰も彼もがどうにもしっくり来ない。  顔も頭も良くて、コミュ力があって仕事が出来ればそれでいい。  けれどもそれは、飽くまでも自分に見合った最高レベルであらねばならない。  そんな考えの女は、そうやって婚期を逃して来た。  女の頭の中に『妥協』と言う文字はない。  かと言って、このまま探し続ける時間もない。  スマホを片手に、サイト検索をしていた女の手がぴたりと止まった。 「なるほど……そうか」  美しい容貌に怪しい笑みをこぼすと、女はその思考を素早く行動へと変えた。
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