第壱章 異世界召喚編

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「まず、あなたには『魔女の闇堕とし』を受けた者として、今日、この後一時間、男性カウンセラーがあなたにカウンセリングを行います」  彼女の言っていることが理解できなかったので、疑問に思った単語を半ば独り言のように口をついて出てしまった。 「魔女の……闇堕とし?ってなんだ?」  しかし彼女には、その口にした疑問が聞こえていたらしく、その疑問に対する答えが返ってきた。 「理解出来なくても構いません。魔女はこの国では伝説の産物として伝承や童話でしか聞いたことがないですからね。まあ、それはどうでもいいのです」  どうでもいいと流されてしまった。まあ、その返事に納得いかないものは残るが、次の言葉を聞くために一旦頭から離した。 「二つ目は国民に魔女と接触させないように隠密で行動しなければならないのにもかかわらず、接触させてしまったことに対しての謝罪がしたいのです」  謝罪に関しては理解出来たので了承の意として無言で頷く。  それにホッとしたのか彼女の口元が少しほころぶが、すぐにしゅっと引き締まる。 「では病院まで案内するので付いてきてください」 3  あの後、彼女について行くと巨大な病院があり、『検査が終わったら、この罪滅ぼしになるかはわかりませんが』と検査終了から一時間後にこの街を案内してくれることになった。     
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