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第壱章 異世界召喚編
第壱話【俺は異世界召喚というものに巻き込まれてしまったらしい】
~プロローグ~
『七月七日、世間では七夕と呼ばれているこの日に皆さんは何かを願った事はありますか?そしてその願いがかなったことがありますか?』、という質問をされた時、ほとんどの人は『いいえ』と答えるだろう。もちろん、俺もその一人だった。
俺は天の川が煌めくその日、星に願った。
──仕事なんて概念の存在しない世界に連れて行ってくれ──
なぜこんな願いをしてしまったのか、という後悔も今となっては後の祭りだ。まあ、こう願ってしまった理由として考えられるのは『ニートをバカにされるのが嫌だったから』としか言いようがないだろう。
ニートになって一生親のすねをかじって生きていけばいい。そう思っていたが、現実はそこまで甘くはなかった。
中学時代の親友はもうあの頃のように親しく話してはくれなくなったし、街でも変な目で見られる。
だからこう願ったのだが、その時は思ってもいなかったのだ。こんな形で願いが叶ってしまうなんて。
叫ぶとしたらこう叫んでいただろう。
織姫様と彦星様はなぜこんなにも残酷な人生をお与えになるのですか!と。
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