*21*園部side

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「仕事?」 多田野さんが目を丸くした。 「依頼?」 雅文も中身の多くはない脳内で必死に考えようとしている。 「はい」 「どのような…用件…で?」 オレもオレで、ヨコヤマの野郎の件で何かあったのかとか、良くない考えで少し震える。 少しずつ歩み寄った目の前の彼女。 「あの……」 俯いてポッと頬を赤らめた。 「悪い虫がつかないようにそばにいて欲しいんです…園部さっ……あっ!」 話の途中の彼女を勢いよく抱き寄せて、腕の中に収めた。 「それでしたら、お任せ……ください…」 「ありがとうございます…」 「支払いはー?どーすんの?」 「そーだそーだ!」 二人の野次を聞いた彼女は、オレの胸をクッと押して小さく背伸びをすると、オレの唇に触れるだけのキスをした。 「………!?」 「これで…足りますか?」 「いや…それじゃ…1時間分ってとこだな…」 多田野さんと雅文がいるのも気に留めずに、彼女の顎を上に向けてもう一度、今度はちょい大人のキスをした。 柔らかな彼女の唇をじっくりゆっくり堪能していると、 「えーコホン………お二人さん…?」 「さっさと帰って好きなだけ続きをシて!」 二人の咳払いや野次が聞こえる中で、 腕の中に閉じ込めた彼女の耳元で囁いた… 「貴女のご依頼は確かにお引き受けしました……貴女を守ります……これからもずっと…」 *完*
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