新人研修の思い出~聴覚障害の女性との出会い~

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 1993年、私は大学を卒業した後、とあるコンピュータ会社に就職しました。2ヶ月半の間、新人研修の為、東京で暮らすことになりました。  あの時は楽しかった。研修はクラスがあって先生がいて、まるで学園生活のようでした。  東京では会社が用意した寮で暮らすことになりました。4人部屋だったもので、最初は色々気を遣うこともありました。でも、すぐに仲良くなって結構居心地はよかったです。毎晩、酒盛りやってましたね。  しかも寮は原宿の一等地にありました。夜になると毎日、ネマキのまま竹下通りに出かけました。「俺らはここに住んでるんだ」、「上京してくる田舎モンとちゃうんや」と言わんばかりに我が物顔で歩いてました。休みの日にはホコ天に出かけて、当時売り出し中だったボディコングループのパフォーマンスを観に行ったりしました。  この研修で一番印象深かったことは、同じ新人で私と同じく他県から上京して来ていたA子さんに出会ったこと。彼女はスレンダーな美人でしたけど、聴覚障害者だったのです。
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