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はっきり言って 、あたしはモテる。 髪は背なかまでの長さでサラッサラッのストレートヘア―。 目はくっきり二重で睫毛が長く瞳の色は瑠璃色、鼻は形良く、唇は小さくふっくらと可愛い。 肌は透き通るように色が白くてすべすべで陶器のように滑らかだ。 おまけにスタイルも良いときたもんだ。 母がフランス人で父が日本人の所謂ハ―フだ。 小さい頃から「お人形みたい」「可愛い」「綺麗」と言われ続けて育った。 幼稚園に入園すればたちまち男の子達にもてはやされ、小学校では既にファンクラブや親衛隊が結成され、中学に上がる頃は他校にも噂が知れ渡り最早、誰もが知る不動の美少女の地位を確立したのである。 歩けば視線を集め座れば人が集まり毎日、監視の中で生活してるような有様だ。 ほぼ、生れた頃からこの環境にあるあたしは周りのことを特に気にすることは無かった。 ここまでくると女子からの妬みや嫉妬も、とうの昔に通り越し・・今では羨望の眼差ししかない。 毎日のように受ける告白や貰った手紙は数知れず対応や処理に困るのが本音だ。 そんな、あたしも今日から晴れて高校生だ。 入学式の開場は予想どおり凄かった。 同級生の一年生はともかく上級生の男子まで、あたしを一見ようと開場の前に屯してた。 「ウワァ、スゲエ可愛い!」「噂以上にキレイ」とか、色んな声が何時ものように聞こえる。 あたしの前に屯する群れを中学から一緒に同じ高校に来た・・あたしの親衛隊が問題なくさばいてくれている。 あたしは、悠々とその中を今日からお世話になる教室へと歩いて行った。
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