王様のねこ

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 丸々とした目を吊り上げて怒っても可愛いだけなので、わざとプリプリさせてみて泣くとは思わなかったが満足したウォリックは漸く説明する気になった。 「証拠を片付けてしまっては犯行も実証説明が無理だろう?毒を洗浄した針で物証を残し、実演したまでだ。汗や苦しさはカランの実だ。無臭なのに強烈に辛いくせに降圧作用あるからいい感じだったろ。まあ刺さる針は痛かったが、家臣もまとめてジオが観れるいい手筈だったな。ルードも兵も手際がいい。夕べ話したのをジオが聞いてなかっただけだ。何かニコニコして頷いたり、手を握って俺の指で遊んでただろ?一人で笑って楽しそうだったしなあ。飽き性だもんなジオ」 「、……の」 「なんだ」  罰が悪そうに横を向き耳を後ろ向きにしたジオは、小声で王様に告げたが聞こえなかったようだ。そのままで、またジオは小さく呟いた。 「うう。途中で難しくなって確かにちょおっと聴いてなかったの。だって。だって王様と散歩行きたかったし……遊びたかったの」 「まだ日はあるだろ。散歩したかったのか?今日は遊べるぞ」 「もういいの。王様いるならいいの、なの」     
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