勝者の末路

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「あのー、十川君。折り入って相談があるんだけど」 「え?」  そう言うと覆面男は覆面を取り、一般生徒になった。 「実はその、十川君に新しいゲームを考案して欲しいんだ」 「新しいゲームを、俺が?」 「ほら、ゲームがクリアされちゃったわけだから誰かに正解をネタバレされるかもしれないだろ? だから同じゲームはもうできないんだ」 「普通はクリアされる事を想定して事前に幾つか用意するものだと思うが」 「それが、みんな演技の稽古に集中して肝心のゲームの方は一つしか考えてなくてさ。問題も割と難しめにしたから誰も解けないと思ってたし」  なんだそれ。 「頼むよ。文化祭は明日もあるし、十川君みたいに頭のいい人が考えるゲームならきっとみんな楽しんでくれるだろうからさ」 「協力してやれよショウ。クリアしちゃった責任があるんだしよ」 「……わかったよ」  まさかこんな展開になるとはさすがの俺も予想外だ。  ま、ゲームの勝者が次のゲームの主催者になるのもデスゲームの定番っちゃ定番だし、仕方ないか……。  END
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