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「あたしの名前と誕生日……」 「ん。忘れたことなんてなかった。毎年誕生日はケーキ買ってたんだ」 ふっと笑っている秀ちゃんに胸がきゅうっとなる。 「あたしを思ってくれてありがとう」 「きっとまだ美咲にとって俺はお兄ちゃんだよな」 コクンと頷いたけど、もう違う感情があるようなきがする。 でも、それにはまだきづかないふり。 「これからはもう美咲も大人になったし、たくさんアピールするからさ」 「秀ちゃん」 こんな秀ちゃん知らなくて違う人を見ているみたい。 あの小学生の頃のメガネをかけて優しく笑っていた秀ちゃんとは全然違う。 「俺のこと早く好きになれよ」 秀ちゃんが起き上がったかと思ったら突然耳元で囁いてあたしの心臓を鼓動の速さを増すばかり。 「……秀ちゃん、違う人みたい」 「もうあの頃の俺じゃないから。だから……」 色っぽい目で見てきたと思ったら顔が近づいてきて唇が重なる。 全てが初めてのことであたしの頭は秀ちゃんでいっぱいになる。 「──俺のことだけ考えて」 あたしはもうこの人でいっぱいになってしまいそう。 -Fin-
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