∵第1話 恋という名の種を拾いました。

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突然影が出来たと思えば頭上から降ってくる声。 毎日聴いてる、そう、この少しハスキーな心地よい声は課長…。 ん? 「課長!?」 先ほどまでもたれ掛かっていた身体が反射的に起き上がり、声の主を見てあたふたする。 何故課長がこの電車に…。 「今更気づいたの?乗ったときから横に居たのに」 クスクスと上品に笑う彼女は私の勤める広報課の課長、椎名紫さん。 部内では眉目秀麗と有名で、その容姿と管理職にも堂々と接するその姿勢からファンも多いと聞く。 出世するだけあって仕事も早く、丁寧で部下への支持やフォローも的確ときた。
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