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そもそも何故課長がこの車両に…。
居たなら初めから声を掛けてくれれば良かったのに。
改めてだと緊張するではないか。
「高橋さんは何処で降りるの?」
心の中で悪態ついていると、課長が話しかけてきた。
課長こそ何処で降りるんだ。
いつまで続く、この緊張感。
「桜木町です。課長は?」
漸く課長の目を見て話す。
顔を上げると疲れを感じさせない綺麗な笑みがそこにはあった。
「川中。桜木町の一つ先だからお隣さんだね」
「近い…全然気付きませんでした」
「私も。まさか高橋さんが同じ沿線に乗ってるなんてね。朝は何時発?」
話が弾んでか、いつの間にかプライベートな話にまで盛り上がる。
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