第1章「名探偵は童貞卒業を夢見る」

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プロローグ  小学生の頃のオレは、周りの奴等はアホばっかりだと思っていた。  例えば――。 「変身っ!」  なんてことを言いながら、仮面ラ〇ダーの変身ポーズを決めるクラスメイト。 「チェーンジプ○キュア!」  なんてことを言いながら、音のなるステッキを振り回す女子。 「バカだなぁキミたち」  そんな奴らを見ると、真実を教えてやらなければといつも考えていた。 「変身ヒーローなんてこの世にいない。  あんなものは子供だましの作り物じゃないか。  憧れるならもっと現実的に、実在する本物のヒーローにしないと」  ――そのころは本気でそう思っていた。 「なんだよ? 本物のヒーローって?」 「フッフッフ。そんなの決まってるじゃないか」  オレは本当に分かっていなったんだ――。 「オレが憧れているのは名探偵! オレは将来、世界一の名探偵になるんだ!」  本気でこんな事を言っているオレの方が、そいつらよりもっとアホなんだって事を――。
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