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第一話『ーー世界が始まる日。』
ーー寒い
ーー眠い
ーー怖い
ここは、何処だろう?
ただただ、黒い。黒くて暗い。
意識がはっきりしない。
夢の中にでもいるようだ。
怖い。怖い。
俺は死んだのか?
俺は、俺は、俺はーーー
「ーーーあ。」
気がつくと、俺の前には広大な草原が広がっていた。
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太陽の日差しが俺の顔に当たると、その眩しさに思わず目を細め、手で顔を隠してしまう。
「ここは?……草原?」
俺は体を三百六十度回転させて周囲を確認するが、目に入るのは草、土と空。
人の手が加わった痕跡が全くなく、果てない地平線が見える。
「嘘だろ?」
思わず笑いが溢れる。
冗談だろ?俺、明日学校あるのに……?
……あれ?学校って何だっけ?
ていうか、俺は何歳で、誰だ?
頭を抱える。
やばい、マジで分かんない。
これヤバいヤツだ。
なんか、気持ち悪い。これ、記憶喪失ってヤツか?
てか、マジヤバイ、ここどこだ?日本?地平線が見えるって事は北海道辺りか?でも、北海道って、こんな草原あるの?
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