あなたのたましいに死ぬってかいてあげるわ。

1/10
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

あなたのたましいに死ぬってかいてあげるわ。

「あなたのたましいに死ぬってかいてあげるわ。『しぬ』」 「うわーん。お兄ちゃん助けて。」 「私が見えるのか?」 「見えるから言っているんだよ。僕死んじゃう。助けて。」 「ダメだ。過去の民間人と接触することは禁じられている。なぜ私が見える?」 「だっているから見えるんでしょ?」 「いや、私はいないんだ。いまきみは未来のビジョンを見ている。」 「未来の人なの?どのくらい未来なの?」 「言うとばれるからいえない。大人のきみにつなぐ。なぜ私が見える?答えろ。」 「X線をうならせると見えるって。」 「うならせるとはなんだ?」 「犬がううーっうーって。」 「それは生き物だ。生き物でないもので答えろ。」 「お寺の鐘がゴーンって。未来にお寺の鐘あるの?」 「博物館にある。もう少し詳しく答えろ。」 「ゴォーォォーォォーォォーンって。」 「もう一つある。答えろ。」 「想像だけどタキオンをうならせているのかなあって。」 「タキオンとは何だ?」 「光より速い粒子だって。」 「この時代にそこまでわかっているのか。」 「タキオンがうなるかどうかはただの想像だって。」 「そこまでわかればだいたいわかる。ちかくに誰かいるか?」     
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!