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「ここは田舎だからたぶん誰もいないよ。」
「運がいいぞ。本当に誰もいないか?よく見るんだ。」
「僕近眼で目が悪いからわからない。」
「どのくらい目が悪い?」
「0.3か0.4くらい。」
「それはどのくらいだ?」
「0.3っていったら0.3だよ。」
「ことばで説明するんだ。」
「なんでそんなめんどくさいことするの?」
「いいからお願いだ。0.3がわからないんだ。」
「1.5m位の距離から太い円に開いた切れ目が見えるくらいかな?」
「1.5mとはどのくらいだ?」
「うーん子供の僕で3歩くらいかな。」
「円の大きさはどのくらいだ?」
「うーん子供の手のひらくらいかな?未来と現代で人間の大きさって同じくらいなの?」
「化石調査ではそんなに変わらない。一分間だけ視力をよくする。誰もいないか周りを確認するんだ。」
「なぜ視力がよくなるの?」
「未来ではなんでもできる。といっても資源には限りがあるから、むやみやたらとできないが。」
「うーん、誰もいないよ。」
「誰かが来そうな気配はないか?」
「うーん、ないよ。ねえ、なんでもできるなら僕を助けて、ぼく死んじゃうんだ。」
「ダメだ。過去への干渉は禁じられている。」
「ねえ僕のたましいをよんで。死んじゃうでしょ?」
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