序幕:不思議な虹を追いかけて

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序幕:不思議な虹を追いかけて 写真撮影・・・今は、多くの人がその気になれば、いつでも写真を撮影できると言える。携帯端末に写真撮影機能が備わっているからだ。そんな俺も、携帯端末を手にした時から写真撮影を行う機会が増え、カメラ専用機(コンデジ)を手にするまでに至った。カメラ専用機の方が手ぶれに強かったり、画角が広かったり、ズーム倍率が大きかったり・・・と、多機能な為である。これまでは主に風景/空/雲の写真を撮影してきた。その理由は、見知らぬ他人様を主体に撮影するのは気が引けるし、何よりご本人様への撮影許可も必要だからだ。風景写真は、そのような事を気にせずに撮影できる上、後で見返してみても、その時の記憶に彩を添えてくれる。また、気軽にデジタル素材として扱えるのも、風景写真の魅力のひとつだと思っている。 そんな風景写真の中でも、特に最近は虹の撮影を行いたいと思っていた。何せ自然の虹は、それ自体が滅多に出逢えない存在。その上、虹を綺麗に撮影するのはなかなか難しく・・・そもそも、虹全体をファインダー内に収める事自体も、携帯端末や標準的なカメラでは困難だったりと、なかなか奥が深い。それゆえ、綺麗な虹が撮影できた時の手ごたえや達成感は、かなり大きいと言えそうだ。 ところで「ブロッケンの虹」というのを、ご存知だろうか? 一般的な虹は、地平線を跨ぐような大きな半円形であるのに対し、ブロッケンの虹は小さく、条件によっては全円だったりする。ブロッケンの虹は、カメラのファインダー内にその姿を全て捉える事も可能であり、今回はそれを撮影できればと、思っている。 ブロッケンの虹がよく現れるという街。その街を目指す列車の揺れは心地よく、高鳴る気持ちを、落ち着かせてくれるかのようであった。 序幕 完 序幕をお読みくださり、ありがとうございました!
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