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第一章 猫と飼い主
ある日公園でプライドの高そうな目をした、薄汚れた猫を拾った。
俺は猫を家に連れて帰り、暖かい食べ物を与え風呂場で綺麗に洗ってやった。
猫は見違える程美しくなり、俺は人に猫を見せびらかしながらソイツをペットとして可愛がって育てた。
その内に警戒していた猫はだんだん俺になついていき、何を思ったのか飼い主である俺に恋をした。
他の奴と話しているだけで嫉妬で密かに毛を逆立てている猫に気付きながらも、気付かないフリをして俺は「ただの主人」として猫に接した。
猫は未だ俺に恋している
――ああ、思わず笑っちまいそうになるくらい、楽しくて仕方ねぇ。
気付かねぇふりをしてアイツの気持ちを踏みにじんのは。
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