夜歩く鬼

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夜歩く鬼

 『墓場まで持っていく』という言葉を知った時、鬼の姿が僕の頭をかすめた。    深夜の暗闇をのっそり歩く。    片手にはビニール袋。    人目をはばかる様子など微塵もない。    歩みを止めて振り返り、僕を睨んだ鬼。     その表情は、怒っているが、僕にはとても悲しそうに見えた……    
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