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山彦さん
いつも通り通う学校。
その道を前後で歩く制服の人たち。
校門の前でそんな人たちに挨拶を交わすスーツの人たち。
教室の扉を開けると学校に行く日には必ず顔を見合わせるクラスメイトたち。
そしてクラスメイトの中でも親しい友達が私に話しかけてくる。
「おはよ。麻耶」
「おはよ。華奈」
いつも通り交わす挨拶。他愛のない会話をしばらくしてた時だった。
「ねぇ、また出たらしいわよ。山彦さん」
親友である華奈の口からその言葉が発せられる。この地域で『山彦さん』は都市伝説などの部類に属する妖怪としてこの町でよく知られている。『山彦さん』についてこんな童謡がある。
”山彦よ 山彦よ あなたはどこにいるのかな
山彦よ 山彦よ 川の流れが聞こえてくる
あなたの居場所を私に知らせてるのかな
山彦よ 夜焚きに代子(しろこ)”
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