2人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
下車
帰ってきた。
電車から右足をスッと出して一歩、駅のホームを踏みしめる。
目の前にはかなり色のはげた
黄色い線が、一本。
その手前で私の何色もの絵具で汚れたスニーカーがトンと軽い音を鳴らした。
中高と地元の学校に自転車で通っていた私にとって、この一歩はさほど感慨深いものじゃない。
私は、三年ぶりに故郷の地面を踏んだ。
「ふぅ~っしょっと」
続いてちょっと大きめの荷物を両手で車内から引っ張り降ろす。
最初のコメントを投稿しよう!