アルバム

やっべー。見つかっちまったか。

でもさすがに犯人が俺とは気付かないだろ。
そんなに探してるなんて、お前もあの写真好きだったのか？

気の無い振りしてマンガのページを捲った。

二歳からだから、もう長い付き合いだ。

あいつのアルバムには俺が写ってる写真があるし、逆もまたしかり。
さっきからあいつが探してる写真は、俺らが保育園に入った頃。

思い返せば、その頃からべた惚れだった。

あいつが俺に、ではなく、俺があいつに。
なのに何で未だに気付かないかな？アホ。

……で、あいつの頬にキスした写真。
どうせそれを探してるんだろ？

悪い、犯人俺だから。

カラーコピーする為にこの前黙ってこっそり借りた。まさか、こんなに頻繁に見返してるなんて思ってなかった。

だって、先週も見てただろ？

それは今、いつでも戻せるために俺の鞄のファイルの中に折れないように挟めてある。
だから、あとはお前が退室してくれたら戻せるんだけどなぁ。

俺のその写真色褪せてきたからさ。
机の上にこっそり隠して時々見返していた。
だから、アルバムにずっとしまってあったお前のそれより小汚い。

で、この前こっそり抜いたってわけ。

あの写真のお前の顔、すっげぇ可愛いんだよなぁ。

俺たち結婚したら、あんな可愛い娘生まれてくんのかな、何てそんな事想像してにやけてしまう。

なあ、だから、早く部屋出てけって。
写真戻しておくからさ。

了