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「私も、早くここを抜けたいとは思っているよ」
これは、本心のようで本心ではない。
もちろん、早く治したいのもあるが学校に行きたくないというのもある。
私は一体どうしたいのか、良く分からない。
「学校、行きたくない?」
「っ!…」
日向は私の顔を覗き込むように体を傾けた。
じっとこちらを見る彼に私は目を逸らした。
私の顔をみるその表情は、私の心を読んでいるようにも見える。
悟られなくなかった私はそんなことないよといい、ベンチに座った。
「そうか?俺には学校行きたくない感じがしたから」
「学校は…行きたいよ」
小声で話したからか、日向には聞こえなかったかもしれない。
でも、日向は何も言わずに私の隣に座った。
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