1,私の日常

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大丈夫なの?と言おうとしたが、彼がそう言うなら大丈夫なのだろう。 変に心配しないほうがいい。 「今日、話せて嬉しかったよ。また明日話そう」 「うん、話せたらね」 日向はあははと笑い、「話せるだろー。俺が話しかけに行くし」と言いその場を立ち去った。 自由人。 今の彼にはこれが当てはまるだろう。 (私も戻るか…) 今日は、日向に連れまわされた感じがした。 連れまわされた挙げ句に、あいつはクラスメート、もとい友だちに会いに行った。 私を置いていって。 でも、私からすればとても都合がいい。 ここにいれば、日向の仲良くしてるクラスメートに会わなくて良いからだ。 学級委員が来ている可能性もあるが、前園さん達という可能性もある。 だとすれば、その人達と会わせないようにしてくれた彼に、感謝をしなければならないと思った。 日向が察してそうした等ということはないだろう。 何故なら、私は違う学校に通っている人間だとあらかじめ伝えてあるからだ。 今更ながら、そんな嘘つかなければ良かったと思うがそれもそれで取り返しのつかないことだと思った。
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