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「……違いません」
「え?」
「……だからっ……嫌いになれませんでしたっ」
「ということは?」
「………………す」
「ん?」
「………………………………すき」
先生の腕から無理矢理逃れて俯き、顔を両手で覆った私に、先生はなぜだか不満そうに仕方ないなとぼやき、その割にはそっと優しく抱きしめてくれた。
「大事にする。その前にたっぷり甘やかせてやるから」
安心しな、と先生は全然安心できないことを宣って、上機嫌に微笑んだのだった。
- おしまい -
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