3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
通路反対側の店は、変わり種がウケてヒットした週間ランク常連の店。
美人の店員を何人も雇って繁盛しだした店もあったか。
行列の先頭を探ると、その先にあるのは全てがランカー店だ。
彼らは他の無名店には目もくれず、ただただ人気店にのみ並ぶのだ。
このエリアにどれだけの人数がやってきても、ランカー店や人気店は商店街の入り口を固めているため、客足もそこで止まってしまう。
こんな奥まった場所にある、無名店まで来る人は極めて稀だ。
うまくいってるとすれば女性をターゲットにしたり、今までにない商品を生み出して運良くヒットした店くらいだ。
大繁盛とまではいかないが、そこそこに賑わっている。
少なくともうちなんかよりは、ずっと……。
今日何度目かわからないため息を吐きながら店内に戻った。
出店して間もない店内は、まだ木の匂いがはっきりと感じられる。
それが一層気持ちを沈みこませる。
「まだ始めたばかりなのに、もうクライマックスか?」と煽られているような気がして。
カウンターの隅には、商店街の店に配られる速報が置かれていた。
読んでいたら感情が昂ぶってしまい、そこら辺に叩きつけてそのままにしていた物だ。
この商店街速報には各店が投票されたポイントが掲載される。
最初のコメントを投稿しよう!