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やはりイケメンは、酷い。
僕のファーストキスを奪っておいて、経験ないのかと聞くのだ。
あるわけがないのに!
あまりにも酷い話に僕が涙目で震えているのに、エドワード王子はなぜかご機嫌だ。
僕に恋人がいないのがそんなに嬉しいというのか!
この鬼畜な王子を僕は恨みつつも僕は、アリサ姉ちゃんの関係で協力せざるおえない。
でないとこのイケメンに僕は……。
そう思うと不安しかない。
とそこでこの鬼畜イケメン王子エドワードが僕に、
「それで魔道具を作ってもらえないか? 今後アリサと戦闘するにしても、アリサを探しに洞窟に入るにしても、武器の強化は必須だしな」
「……うぐ、確かにそれはそうかも」
「じゃあさっそく作ってくれ」
そこでエドワード王子が、何かお茶を作ってくれという気軽さでそういった。
魔道具とはピンキリとはいえ、作るのが結構大変というのが一般論だ。
しかも、それ専門の職人がいたりする。
だが知ってか知らずか、エドワード王子はそう僕に言ってきたのだ。
普通なら無茶だ、で済ますところだけれど、
「エルは僕がこんなにすぐに魔道具を“作れる”って知っていたの?」
「いや? だがフリーの伝説の魔づぐ職人というからその程度は出来るかと思ったんだ。王室御用達の魔道具職人もそうだから」
「僕のような人がいるの?」
「……他の魔道具職人も知らないのか?」
「う、普通の魔道具職人しか知らないです」
「……異様に能力が強いから、あまりほかの人に知られないようにしたのか? ……試しに俺の持っている件を強化してみてくれないか? 見てみたい」
「……いいよ。どの属性を強化する? 今は手持ちの材料だと属性をひとつしか付加できない」
「やろうと思えば、幾つも付加できるのか。それはそれで……まあいい、では炎で頼む」
そう僕は言われて、赤い石を取り出したのだった。
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