夜の飛行

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 その夜、久しぶりに自分の部屋で寝た。ケータイには不在着信が溜まっていた。脱いだ服を洗濯機に入れるとき、あのときついた匂いがして、わたしはトイレで泣きながら吐いた。枕が変わっても眠れるけれど、自分のじゃない枕は汚いからいやだなぁ、と強く思った。いやな匂いが脳にこびりついて、わたしはなかなか寝つけなかった。  窓を開けて夜風をいれ、空に浮かぶ月に向かって、わたしは静かに祈った。
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