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 荷物は自分の席に置いたままで、それがなければ帰れない。  うんざりしながらも、兵頭はこっそりと席に戻ろうとした。  しかし、フロアの残された灯りの下で行われている情事によって醸し出されるフェロモンに完全にあてられてしまう。  兵頭自身の身体までも、予想外のどうしょうもない状況にさらされてしまったのだ。 「優紀っ……優紀……」 「はぁっ……んっ!」 『優紀』……三年先輩である江波優紀(エナミユウキ)と 「カズっ、もっと……奥っ」 「ああ、こうっ?」 「あ、はぅっんっ」 『カズ』……:同じく三年先輩の吉澤一晃(ヨシザワカズアキ)。  二人は、兵頭にとっては社内でも尊敬する先輩たちだった。
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