6.

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 結局、兵頭は一課との兼務という形に落ち着いた。  江波は、彼と一緒に行動をすることが増え、今まで以上に兵頭という人となりを知ることになった。  αにありがちな、上から目線もなく、属性に関係なく誰とでも協力しあえる、協調性もあった。  彼の性格もあってか、一課の他のαたちからの受けも良かった。  しかし、兵頭は仕事以外では、それ以上に江波に近づくことはなかった。  あんなに、江波への熱い視線を向けながらも、手を出してこない。  江波の中では、彼に対する欲望が、心の奥底に滓のように溜まりだしていく。  自分では運命と感じているのに、兵頭本人が反応すらしない。  もしかして、自分の勘違いなのだろうか。  吉澤を失った時の辛さを思い出すと、自ら手を伸ばす勇気が起きなかった。
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