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ラッキーなことに、目の前の席が空いた。
すかさず座ろうとしたら、後ろから腕を掴まれた。
「おい」
振り返ると、見知らぬ男が立っていた。
僕と同じ歳くらいか……、もう少し若いかもしれない。
身長は彼のほうが5cmくらい高いので見上げる形になった。
なんで、腕を掴まれたのだろう?
意味が分からず、きょとんと見上げると、視線で僕の左側を見るように促された。
視線の先を見遣ると、年配のおばあさんが立っている。
ああ、そうか。席を譲ってあげたらと言うことなんだ。
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