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「とりあえず、俺のところに来いよ、結構広い部屋借りてるから、二人住んでも問題ないし、絵だって十分飾れる」
なんて、嬉しそうに提案してくる燈也君。こんなに強引だったっけ? なんて思いながらも、もしかしたら、彼も浮かれているのかもしれないなんて思ったら、おかしくなって思わず笑顔になる。
「なぎさ」
名前を呼ばれて、彼を見ると、大きな温もりに包まれる。
抱きしめてくれる温もりは、春の陽光に似ているなぁ、なんて──
これから、こうやって何度も名前を呼んでもらえるのだろう。春の日差しは絶えることがない。
投稿小説を書いて、本当に良かったと思う。
私が思いをつづらなければ、こうやって燈也君とも再会することもなかったかもしれない。
再会できても、互いの思いがわからないままだったかもしれない。
あの物語は、私と燈也君が恋をした証。
もう、あの続きを書くことはないけれど、私たちの物語はこれからも続いていく──
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