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幼い頃より、何の為に自分は生まれて来たのだろうかと、何度も自問自答を繰り返して来た。 だけど心の葛藤を受け入れ、「自分はこう生きて行く」という決断を下してからは、もう迷う事はなくなった。 もちろん、それ以降、完全に気持ちが楽になれたという訳ではないけれど。 とにかく自分はその道を選ぶしかなかったから。 だからここぞとばかりに開き直り、自分自身を叱咤激励しつつ、どうにかこうにか日々暮らしていたのだ。 だけど結果的に、トータルで考えれば、充分に、幸せな人生だったのではなかろうかと思う。 何故なら彼も同じ立場であった事を知ったから。 心から尊敬し、憧れていた彼と、方向性は違うけれど、最大級の悩みを抱え、もがき、苦しみ、それでも前を向いて歩いて来た、同士であった事に気付いたから。
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