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岩は、救世主が来たと言わんばかりの顔を瀬尾に向けていた。
その救世主・瀬尾は、あくまでも自然に巣羽の回収に徹しようとした。すると、
「いやあ。私の好物まで知っているとは、さすが、岩部長の部下ですな。この若者も実に面白い! この私がつい、話に聞き入ってしまったよ! あぁ、巣羽君の教育係かい? すまないね、後輩を引き止めてしまって。巣羽君、また話を聞かせてくれたまえ」
フロアにいる全員が何が起こったのか分からないような顔をしていた。そして巣羽だけが、元気な返事をした。
「もちろんッス。でも次は、なんか奢って下さいッス」
得意先の社長と二人、笑いあっていた巣羽を皆、大物だという目で見ていた。
炭酸飲料だとばかり思っていた新人だが、どうやら、スパイスだったようだ。
かけすぎると辛く、ただの刺激物になる。
しかし、ハンバーグの肉汁や半熟の目玉焼き、独特の苦味のサラダ達と、それら全てをまとめるソースと合わせれば、病み付きになるロコモコが出来上がる。
この世はハワイのロコモコだ。
ごちゃ混ぜになるから、美味しさが広がる。
色んな人間がいて面白さがでる。
化学反応ともいえる現象が起きる。
たくさんの会社が集まるとハンバーグやサラダになる国という器に入っていて、国は地球という器に収まっている。
この世はロコモコ。
つまるところ、ロコモコは美味であるということだ。
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