僕と小さいおっさん

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僕と小さいおっさん

 何かの気配を感じて夜中に目が覚めるがテレビの明かりに気がつく。ああなんだ消し忘れたのかとリモコンを探すも手探りだけでは見つけられなかったため、億劫ながらも上体を起こして周りを見渡しギクリとする。  座卓の上に小さいおっさんがいた。  20センチほどの大きさの小さいおっさんは、こちらを驚愕の表情で見つめたまま硬直していたのである。何故か下着姿であったがその小脇には座卓の上に置いてあった蜜柑を1個抱えていた。  さっきまで寝ていたため頭はまだはっきりしておらず、しかし何かを言わなければという使命感だけが先走り、その結果出た言葉が 「誰?」山田です。ほら隣の。みたいな返事が来たらちょっと怖いなと思ったが「何?」の方が正しかったかなとも思う。 「いやあのほら、あの、蜜柑をな、貰おかなってな」と言い訳をし始める。だんだんと頭もはっきりしてきたためこれがあの芸能人とかがよく見る小さいおっさんかぁと何となく理解し 「いやいやいやいやちょっと待ってな。ちょっとまって。え~あの~、うん。あの、何でここに おるの?」となんとか建設的な質問が出来たと思ったのだが     
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