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はじめに……(つまりは序文として)
人が生きていく上で、「どう生きるか」というテーマは、時代と場所を問わず普遍的だと僕は思う。
「どう死ぬか」を考えることは、「どう生きるか」を考えることと同じだし、死ぬその時を考えられない者でも、目の前にある生を考えない者はいないのではないか。
その深度と、楽観と悲観の天秤は、時代や場所によって変わるものだろうけれど。
さて、3つの恒星が浮かぶこの惑星で生きる、僕たちはどうだろうか。
人類が恒星系を飛び出す技術を獲得し、幾光年と離れた恒星系の居住可能惑星へ植民を開始して、既に幾世紀が過ぎた。
人類の宇宙開拓の歴史なんて、今さら僕がここに書くようなことではないのだけれど、それでも大学で人類史を専攻した僕には、歴史を俯瞰してものを考える行為がとても心地良いのだ。
時に折り、読者の方にはお付き合いいただくことになるかもしれない。
その人類の宇宙開拓史の中で、新たな植民先のひとつに選ばれたこの惑星も、最初の移民船団が辿り着いて約200年が経つ。
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