第1章・不束者ですが

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「あ、ああ。これですよどうぞ。良かったこれで帰れる。じゃ、そういう訳で帰るわ。またな!」 あ、池田くんが店を出て行ってしまった。 せっかくのチャンスをみすみす逃してしまうなんて!! 「ごめんジョー。私も先にかえらせてもらうね」 池田くんの後を追って、喫茶Melbourneを出る。 あ、コーヒー代……。 ごめんジョー、今度埋め合わせするから!! って言ってもフィリップ先輩が来たからには奢ってくれそうだけど。 それに先輩はきっと私がいない方がジョーと二人きりで嬉しいんだろうし。 私って気が利くなぁ。 急いで階段を降りて池田くんを探す。 左方向に歩いていく背中が見えた。 間に合った!とりあえず尾行しよう。 まさか喫茶店で会えるなんて、まさに運命の再会……。 後を着いて行って、それからどうするかなんて決めてないけど、まずは話しかけない事には何も始まらないよね。
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