1章 出逢いは突然に

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他にも何か言いたげな目を反らして夏希ちゃんはテレビを見る。 「晶さん…」 テレビに顔を向けながら夏希ちゃんは声を掛けてきた。 「何?」 「最初に言ったこと…訂正していい?…」 「最初?」 「うん…」 「何言ったっけ…」 「……──」 焼き飯の皿から顔を上げたあたしと夏希ちゃんの目があった。 「手…出さないって約束──」 「……」 「今すげー…手、出したい」 合わせた目を反らして言うとまた夏希ちゃんはテレビに目を向けた。 そっぽを向いて頬杖付いた夏希ちゃんの顔が徐々に赤くなっていってる… 思わず頬張った焼き飯を丸飲みしてあたしは呟いた。 「……それはまた…急な展開だね…」 「急じゃないよ」 「へ…」 夏希ちゃんは食べ掛けの焼き飯をあたしから奪ってテーブルに置いた。 「あれ!?…今、食べてる途中っ」 「後にして」 「あれ!?いきなりっ!?…」 「我慢できないから」 「てかあたし何も返事してないよね!?」 「後できく」 あれ!? うそ!? 夏希ちゃんてめちゃくちゃゴーイング・マイ・ウェイ!?
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