ひじきのこころ

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「おはよう」がくるとぼくはもごもごとおふとんからでる。なかなか起きないちいちゃんのために、ぼくは部屋のなかをかけまわって「おはよう!おはよう!」というのが日課だ。「おはよう」といって「おはよう」を毎日みんなで祝うことをぼくは知っている。ぼくはそれがとっても楽しい。「おはよう」がくることはとってもうれしいことだ。それはあたりが明るくなると毎日みんなでやることだから、ぼくは毎日しあわせだ。 「げ、もう8時?」 ちいちゃんは時計に話しかけてから、ぼくを飛びこえてリビングにむかった。ぼくは急いでそのあとを追う。ちいちゃんはもうパンを口にくわえていたが、ぼくをみると「おはようひじき」といった。なんてことだ。「おはよう」と「ひじき」がいっしょになっている。ぼくはよろこんで「おはようひじき」と返す。 「朝から元気ねえ」 ママがそういうと、ぼくのごはんを床においた。ぼくもちいちゃんのようにパンを食べてみたいけど、パンをもらったことは一度もない。でも、このごはんも大好きだからぼくはぺろりとたいらげてしまった。     
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