時代

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「敵は本能寺にあり!」 1582年6月2日 俺は父親と祖父を亡くした 父の名は織田信忠、そして俺が最も恐れ、憧れている祖父の名を、、、織田信長 俺はこの時まだ三歳 名は三法師 なーんも知る筈もなく大人のオモチャ(変な意味じゃねぇぞ)にされていたらしい 三歳で戦国大名なんて出来るわけが、、、 「あの腐れ猿め!」 だが、この忌々しい猿のお蔭で俺の名は一躍この日の本に知れ渡る事になった、幼名の三法師と言う名だけ、、、 1600年 俺は20歳、名を織田秀信と名乗っている 猿が名付け親だ 織田家の信の字と、猿(秀吉)の秀の字 「順番が違うだろーこのハゲー!」 と、死んだ人にキレても仕方ないか 世間の噂は俺も知っている 織田家を家臣に乗っ取られ、その猿の家臣のように扱われ、親の七光りだけで大名気取りのバカなお坊ちゃん、信長様もさぞかし無念だろう だが、俺は気にしなーい 絶対しなーい  初めて会う奴に 「織田秀信である」 と名乗る すると 「あぁ、信長様のご親戚でしたか」 そこで俺が 「三法師と言った方がよいかの?」 この瞬間、奴らの顔は大体ピクッとひきつるのが俺はたまらん 「さ、三法師様でしたか、知らぬ事とはいえ御無礼いたしました」 「よいよい」 こんなやり取りが年に何度も繰り返されている 三歳が人生のピークな俺って、、、
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