4.教師は異端の男女と交流する

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4.教師は異端の男女と交流する

宇津木の指示で春休みに脱色した髪が、街灯に照らされて安っぽく光っている。 すっかり日の落ちた住宅街を、マコトは自転車で走る。 前カゴには使用後のタオルや宇津木の制服の上、パーカーなどを入れたビニール袋を。 そして後ろには、マコトの服を着た宇津木をのせていた。 コインランドリーにたどり着き、空いていた洗濯機に洗濯物を突っ込むと、宇津木は待ち時間の間に近くのスーパーまで買い物へ行った。 田舎のくたびれたコインランドリーにエアコンはついていない。 マコトは外のベンチに座り、煙草を吸った。隣には、顔見知りのじいさんが座っていた。 マコトの家の洗濯機は、去年の冬に壊れて、そのままになっている。 間に合わせのつもりでコインランドリーを使っているうちに、直すのも面倒になってしまった。 「なぁ、あの子。おめぇさんの女か」 「ハァ?」 「違うのか。なら、妹か」 「ちげーよ」 老人の絡みにマコトは適当に返した。 洗濯物の乾燥まで終わっても、宇津木は戻ってこなかった。 じいさんもとっくに去っている。 マコトは自転車のカゴに荷物をいれ、手で押しながらスーパーへ向かった。 緑色した看板の電飾は、生活という名の使命感を帯びてビカビカと光っている。 駐輪場には、フェンスに繋がれた犬がいた。 犬は良く言えばおとなしそうで、悪く言えばやる気がなさそうだった。 マコトが頭を撫でると、それは緩慢に瞬きをした。 毛は見た目より柔らかかった。 もしかしたら老犬なのかもしれない。
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