第三章 異世界ラ・グランデ

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カン!カン!カン!・・・・・・、翌朝、早速、走り込みをした後、初めて知った訳だけど家の外は山であった、木剣の素振りと打ち込み・打ち合い、を行い、汲んできた川の水で汗を流した後、朝食となった。サラさんが色々話し掛けて来ても疲労で返事する気も起きないし、それを見て、これ位でへばってるんじゃないとか息巻くグレンさんにうんざりしたりしたが、サラさんに見透かされて水魔法により頭から水をぶっかけられたり等散々だった。因みに、僕の様子を見て笑っていたグレンさんも水をぶっかけられていた。 僕は、サラさんやグレンさんにいつかお返しをしようと、俄然、悪い方向にやる気を出したのであった・・・・・・。 10歳になる頃には、二人には手が負えない問題児となっていたが、それはまた別の話だ。 二人による武術と魔法の訓練は七年、12歳を迎える頃迄続いた。(年齢を5歳という設定にしていた。) 武術や魔法の訓練の後は、自分にとって頭の痛い教養の時間だった。何故ならば、この世界は、前近代的な専制君主制の政治制度で、貴族が威張り散らすというのが普通の状態だったからで、訳のわからない貴族の家名を覚える等が苦痛だったし、人間至上主義的な思想(この世界にはエルフやドワーフ、獣人等、人間以外の種族が存在している)や奴隷制度があったり等、まんま、ファンタジー的な要素満載にも辟易した。 この世界には、大陸が主に3つ、一番大きいスペリオーレ大陸、セントレジス大陸、ダーカント大陸が在る。セントレジス大陸には主に人間族が住んでいて、スペリオーレ大陸には人間族と亜人、獣人の国が混在する。ダーカント大陸、は魔族が住んでいるという事である。そして、現在、僕が居るのがセントレジス大陸である・・・・・・らしい。国家にも、他種族排他主義、多種族共存・・・・・・、様々有り、それぞれで小競合いを繰り返して来ている。対立を一切合切無くして、融和図りましょう、というのが理想的だが、非常に困難であるというのが現実的である。因みに、サラさんはエルフであるという事である。(特徴的な細長い耳は擬態魔法で隠して居たり、帽子をかぶって見えないようにしているらしい)僕は、エルフだろうと、ドワーフだろうと、獣人だろうと、魔族だろうと、自分に敵意や敵対的行為を示されなければどうでも良いのだけど、そうでない者も多いらしい。
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