第三章

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「もしもって――、どういうこと?」 「え?」 「もしも好きって――、どっちなの?」 「……」 「俺の事好きなの?そうじゃないの?」 「……」 「どっちなの?」 「……」 「俺は――、もしも、じゃないほうがいいなって、心の底から思ってんだけど」 「え……?」 「俺も麻里の事好きなんだけど」 「……嘘」 「嘘じゃないよ。本気だし、この汗みてよ。マジで滝のよう」 その言葉の通り、佐々木は汗だくだ。 シャツが微妙に張り付いてるし、額から汗が滴り落ちている。 「……ほ、ほんとだ……。どうしたらそこまで汗びっしょりになっちゃうの?」 「あぁ、それはね、って、そこの説明はあとでいいからさ。俺の事好きなのか?」 すっごい必死の形相に私の胸のドキドキがどんどん大きくなる。
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