4847人が本棚に入れています
本棚に追加
/351ページ
出なければいいのに、なぜか俺は電話に応じる。
耳を当てたそばから聞こえたのは、あのセリフ。
『ねぇ、どこにいるの?
また、眠れなくなっちゃった……。
今すぐ会えない?』
「……二百万円」
『あぁ、それ。高津が手切れ金だって言ってたわ』
「じゃ、俺達はもう会っちゃいけないでしょ」
『何よ、今更?
そんなこと言いながら、結局私の家の中に招き入れて抱いてくれたじゃない』
「……もう会わないよ」
『なんで?』
「だって、俺。今、すんっごい北に居るから」
最初のコメントを投稿しよう!