第2章 初めての女

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 突き返せば良いのに、俺はなぜか無抵抗の女みたいに目を閉じてされるがままだ。  そうしていると、今度は舌が口を割って入ってきた。なんだろう。この感じ。違う意味のドキドキが強くて、全然ダメ。  俺はこの(ひと)に興奮していないから、息子も全然反応してくれない。  ――― どうすりゃいんだろう?  悩みながらキスを受けていると。 「あんたさぁ。私をバカにしてる?」  半切れで聞かれた。  そりゃそうだ。俺は不能だし、マグロだし、金はないし。 「バカにはしてないけど?」 「じゃ、なんで一年も付き合ってて一度もエッチしてくれないの?」  え?  付き合ってる???  えええ???????  頭の中でクエスチョンマークが洪水を起こした。
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