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第49回 美人局(つつもたせ) 情報屋(ねたもと)
『善人長屋 閻魔の世直し』(西條奈加、新潮文庫)
▽あらすじ
陽光が日を追って夏めいてくるある日、深川山本町(現・門前仲町)の長屋の井戸端で3人の女がおしゃべりに興じている。ひとりは長屋の差配人の娘・お縫、残るふたりは下駄屋と髪結いの女房である。
長屋の女たちは、何かといっちゃあ井戸端に雁首(がんくび)をそろえて噂話に興じる。赤切れをこさえた手で洗濯しながら、甲斐性のない亭主をこきおろしたり、子供の自慢話でもしているのだろう。だが、今日はちょいと中身が違う。同じ長屋の住人で錠前師(じょうまえし)の加助の見合い話なのである。閻魔(えんま)さまに舌を抜かれる心配はあるまい。
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