3年後の秋・隼人の夜

2/4
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ
音信不通となってからも度々このIDを検索してはエレナの笑顔を眺めていたが、それ以上 例えば、メッセージを送ったり… は一切していなかった。 ただ、その夜の隼人は酔った勢いもあり、商談も成功したせいもあって、いつもより大らかな気分であった事は確かだった。 どうせブロックされていれば伝わる事もないだろうし…そう思い、そのまま友達登録の申請をしてみた。 バーボンロックのガラスが空になって間も無く、美由紀からLINEが入った。 今、ロータリーに着きました。 了解。 と返信をして会計を済まして外に出た。 隼人の顔を秋の風が心地良く撫でた。 結局その夜、エレナからの返信はなかった。 やはりブロックされているのだろう。 忘れよう…と友達登録を解除しようとも思ったが、 煮え切れない思いがその行為を踏み留まらせた。 エレナから長いメールが届いたのは 翌日の日曜日の夜遅くだった。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!