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音信不通となってからも度々このIDを検索してはエレナの笑顔を眺めていたが、それ以上
例えば、メッセージを送ったり…
は一切していなかった。
ただ、その夜の隼人は酔った勢いもあり、商談も成功したせいもあって、いつもより大らかな気分であった事は確かだった。
どうせブロックされていれば伝わる事もないだろうし…そう思い、そのまま友達登録の申請をしてみた。
バーボンロックのガラスが空になって間も無く、美由紀からLINEが入った。
今、ロータリーに着きました。
了解。
と返信をして会計を済まして外に出た。
隼人の顔を秋の風が心地良く撫でた。
結局その夜、エレナからの返信はなかった。
やはりブロックされているのだろう。
忘れよう…と友達登録を解除しようとも思ったが、
煮え切れない思いがその行為を踏み留まらせた。
エレナから長いメールが届いたのは
翌日の日曜日の夜遅くだった。
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