真夜中の悪戯

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お前は知ってるだろうけど、俺の家、アパートの二階なんだよね。でも、防犯対策なんてしてないから時々変な人が玄関前の廊下を歩いてたりするんだよ。 髪の長い女がブツブツ呟きながら歩いていて、挨拶しても無視されたりなんてザラだし。 でも、昨日のイタズラは酷かった。物音がしたので見に行くと、夜中の1時に玄関ドアに付いてる新聞受けがカタカタ鳴ってるんだぜ。ウチのは受け皿がないタイプなんで見えるんだけど、手を突っ込んで凄い勢いでたカタカタカタカタカタ~って、3分くらい。流石にびびったわ。 「お前、そいつの手を見たの?」 「いいや。凄い勢いだったんで見えなかった。高速カタカタだったしな」 手じゃないナニカがひっかかってもがいてた………とは考えないらしい。 僕が県外の大学へ行くのを決めた理由がコレだった。地元には心霊スポットが多すぎるので、霊感がある僕には住み辛い。しかし、呑気というか、鈍いというか、この地域の人間は羨ましいことに怪奇現象を怖がらない。だから、そのての話題になるといつもモヤモヤした気分だった。 酒が回ってヘラヘラ笑ってる友人を見ながら、コイツらは相変わらずなんだなと、僕は苦笑した。
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